CAHIER
ASIMOへの手紙
Newsを見ました。たった4年の間に君はとても進化しましたね。外界認識の能力も高め、更に、人の操作の介在なしに、自ら次の行動を判断する自立行動生成というのも身につけているというではないですか。ほんとうに驚くばかりです。まだぎこちなく歩いていただけの君を考えると、この先どこまで進化していくのか・・・。
ふと、器用に紙コップに水を注ぐ姿を見ていると、悲しい気持ちになりました。なぜなら、君はそれを飲むわけではない。君は誰かのために、その力を使うのですね。福島の原発へ君を駆り出す声もあるそうです。もしかしたらいつか兵士にされる日も来るのかもしれません。人間の代わりになにをさせられるのでしょう?
目も鼻もない君の顔の表情は、とても優しいけれど、やはり少し悲しい。笑うことも泣くこともなく、ただ人間のために働く君の存在意義は、すべて人間の論理の側にあるのでしょうね。君の顔を作らない理由は、技術的なことに以外に、もしかしたら人間の疚しさや負い目があるのかもしれない。
人間の「心」の不在をテーマにするとき、昔からロボットはよく登場しました。君の大先輩のアトムもそうでした。君がほんとうに人間と楽しく暮らせる世界を人間は作るべきではないか。危険なこと、苦しいことを機械に代行させず、自ら命を懸けて変えてゆく世界を、人間はまず目指すべき気がします。いつか、危険な仕事を命令されても、自立行動生成の機能を使って逃げたっていいんだよ。僕はそう思います。
次に新しくなった君に逢えるのはいつでしょう?
その時、世界が君の笑顔を感じる世界であればいいですね。
| パーマリンク